夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「……っ!」

「プッ」

私を見て、愛児がクスッと笑った。

「……分かった。下ろしてやる」

ようやく地上におろしてもらえた私はホッとして息をついた。

一方愛児は立ち止まって腕を回し、そんな私をグイッと抱き寄せる。

「マジで、昨日はごめんな」

私は首を振った。

「私の方こそごめん。なんか空回りしちゃってたみたい」

愛児が身をかがめて私の瞳を覗き込んだ。

「良かった、乃愛が俺との結婚をオッケイしてくれて。マジでさっきは死ぬほど緊張した!」

私は驚いて少し眉を上げた。
< 105 / 110 >

この作品をシェア

pagetop