夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
ちなみに脚が長い。

そんな私に愛児は眉を寄せた。

「おいなんだよ、不気味な女だな!
俺があんまりイイ男だからって見とれ過ぎだっつーの!どーすんの?俺ん家来る?!」

なによ、そのどっちでもいーけど来た方が得だろ!みたいな偉そうな口調と態度は!

でも……。

「……行く」

自分の答えに少し驚いた。

だって三年間隣同士だけど、部屋を行き来したことはないし、ごくたまにエレベーターで一緒になる程度なんだもの。

そのわりにはフランクに話せたり口喧嘩するのは、紛れ込んだ郵便物や愛児の私に対する態度の悪さのせい。

おかしいだろ、私。

けどその時の私は、何故か行くと答えたのだった。

何故か、などと言うのは微妙に違うようにも思う。
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