夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
今まで彼氏なんて出来た事ないし、男の部屋へ行った事もない。

……難しいなあ……。


★★★★


30分後と言われていた私は、30分が過ぎて暫くの後、隣のインターホンを押した。

「開いてるから、上がってこい」

機械を通してもイケメンの声はイケメンボイスなんだなー。

私はガチャリと愛児の玄関ドアを開けた。

「お邪魔します」

靴を脱ごうと俯いた時、奥から愛児の声と共に足音が近付いてきた。

「おー、何それ」

「チーズの詰め合わせ。頂き物なんだけど……」

う、うわっ!

フッと顔を上げた私は、もう少しでチーズの入った袋を取り落とすところだった。
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