夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
愛児は尚も私を見つめた。

「……唇もポッテリして可愛いし」

「きゃああっ!」

その時フワリと抱上げられて、私は反射的に小さく叫んだ。

「……このまま帰られたらムカつくから運ぶわ」

……なんだこのエロい……いやエロくはないか、いや上半身裸でお姫様だっこはエロい。

それになんだ、このイチャイチャする感じは。

ダメだ、死にそうだ。

こんな経験はない。

けれど私は死ぬ前にリビングのソファに下ろされた。

「ちょっと待ってろ。風呂上がりなんだ。シャツ着るわ」

ああ、心臓が破裂しそうだ!

男前は何してもダメよ、ドキドキするから!

私はガチガチに固まったまま、微動だにせずソファに座り続けた。
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