夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
★★★


キッチンでカチャカチャと音が響く。

暫くすると、

「お待たせ」

わあ……なんかすごい。

パセリが添えられた、輝くような美しい生ハムと高級な雰囲気漂うワインボトル。

「綺麗……神崎さんってセンスいいね!お皿とか盛り付けとか!ね、これ写真に撮ってもいい?!」

私がそう言って見上げると、彼は驚いたように眼を見開いた。

ちなみに返事はない。

私はスマホを取り出しながら愛児を再び見つめた。

「神崎さん?」

すると愛児は私を一瞬だけ見たけど、直ぐに決まり悪そうにして眼をそらした。
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