夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「……今はいないけど、けど……」

口ごもる私を尻目に愛児はシャツを着ながら口を開いた。

「ならいーじゃん。一緒に写真撮ろうぜ」

……なんでそうなるのかがさっぱり分からない。

私はただ、お洒落な皿に盛り付けられた生ハムが撮りたかっただけなんだけど。

「ねえ、映画みようよ」

私がそう言うと、愛児は我に返ったように瞬きした。

「え?ああ」


★★★★★

約二時間後。

「はあー!凄く良かった!」

私は念願だった大スペクタクル歴史映画を見終わり、感嘆のため息を漏らした。
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