夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「古代エジプトって、神秘的だよね!」

美味しい生ハムを御馳走になり、その上極上のワインまでいただいて、私はすっかり上機嫌だった。

それに、酔っていた。

あんなに性格が悪いと思っていた愛児が凄くイイ人に見えたのだ。

そう、素敵なイケメン。

映画が終わる頃、私は神崎愛児を善きイケメンの隣人だと思い込んでいた。

「今日は、本当にありがとう」

私はニッコリと愛児に微笑んだ。

「じゃあ、お皿片付けたら帰るね」

私はそう言いながらテーブルの上の皿を手に立ち上がろうとした。

「待てよ」

「ん?あ、まだ飲む?ごめん、注ごうか?」
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