夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「わ、私、そんな気は……」

すぐさま心拍が上がりだし、私は思わず後ずさった。

「なあ」

「きゃ」

素早く腕を引き、愛児は私の背中に腕を回した。

「さっきの続きだけど、お前、彼氏いないんだろ?だったらさ、今から」

嘘でしょ?!

私は思わず愛児の腕の中で硬直し、固い声を上げた。

「や、やだ」

……愛児はマジマジと私を見つめた。

「じゃ、なんで俺の家に来たの」

それはだって……。

私は観念して俯いた。

「それは……ファラオがどうしても見たかったし、イベリコ豚もワインも飲みたかったから」
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