夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
私が正直にそう言うと、愛児は信じられないと言ったように眼を丸くした。

「なんだよ、中身までダサい女なのかよ」

私は背中に冷水をかけられたようにヒヤリとし、酔いもどこかに消え去っていった。

愛児はそんな私を見つめて、低い声でたずねた。

「彼氏いないんだろ?好きなヤツも。なら、俺はどーなの」

『俺はどーなの』

私は愛児の腕の中でもがいた。

「は、離して」

「ダメ。答えるまで離さない」

耳元で心臓の音がバクバクと激しく響き、私は愛児の甘い瞳を見つめた。

「私っ!三ヶ月後に友達の結婚式に出て、その二次会で彼氏を作る予定なのっ」

愛児が、驚きの表情で私を見た。
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