夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
★★★★

菜穂に紹介してもらったエクステのお店は、実は美容院で私は同時にヘアスタイルもお願いした。

幸運にもキャンセルが出て、カラーリングとカットなら出来るよと言われ、お願いすることにしたのだ。

「神崎さん。今の髪型だと、あの、ホラー映画の井戸から出てくる女性みたいだよね」

ガーン!

「あ、ごめんね!あの人はあの人で似合ってるよね」

いやいや違うでしょ?幽霊をフォローしてどーすんの、私をフォローもらえないかしら。

お洒落で可愛い系のお兄さんが、鏡の私を笑顔で見つめた。

「どんな感じがいいかな……」

私はポツンと呟くように言った。

「私、見た通りダサいんです。実は同じマンションの隣の男に散々ダサいだの女子力低すぎだの言われて、自分を変えたいんです。
ただどんな風な髪型が似合うとか、カラーはどれが綺麗だとか、そういう知識はまるでなくて」
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