夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「はい、捕まえたー」

「きゃあっ」

愛児は私の腕を掴み、切れ長の眼を甘く光らせた。

「なあ、どこ行くの?」

言いながら、彼は悪戯っぽい笑顔で私を見ている。

私は思わずドキッとした。

なんだよ、なんだよ、このかっこよさはーっ!?

「まさか、デートじゃないよな」

私は張り付いたように愛児を見つめた。

……独りで晩御飯がバレたら、

『フッ!独りで晩飯!なんつーつまんねー人生歩んでんだよ!』

とか、

『ダサい女は友達すらいないのかよ、不憫だぜ』
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