夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
★★★章

ベテルギウス(わきの下)

重い気分のまま夕飯を食べに出掛けた。

………居酒屋に行きたかったのになあ。

まだ開いてない。

仕方なく私は噴水の前のベンチに腰を下ろした。

ちょっとした憩いの場のようなそこは、カップルが何組かいて、楽しそうに話をしていた。

いーなあ……。

私今、29歳だよ?

来年、30歳だよ。

大体二、三年付き合ってから結婚すると仮定する。

それから新婚生活を二人だけで一年間味わったとしよう。

その後すぐに妊娠できたとしても初産が34歳か35歳くらいになるんだよな……。

二人くらいは欲しいと思うと……。

そう思った時、私は背筋が凍る思いがした。
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