夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「あの、もしよかったら、僕と少しだけ話をしてもらえませんか?」

私は驚いて彼に尋ねた。

「あの、私でいいんですか?」

彼は私の眼を真っ直ぐに見た。

「あなたがいいんです」

胸が軋んだ。

頷いて彼を見ると、彼は大きな口を目一杯開けて笑った。

「やったあ!」

私はマジマジと彼を見つめた。

一見、怖い感じ。

男らしく整えられた眉に、奥二重の眼。

色黒で、野性的な大きな口。

逞しい体つき。
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