夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「知るか。俺が先に手に取っただろ」

「信じらんない!ほんと最悪な男だよね、アンタって!」

私は再び舌打ちして呟いたが、急に名案が浮かび、愛児を見上げた。

「ジャンケンしよ!ね?!」

実は私、ジャンケン半端なく強いんだよね。

イイ考えだ、絶対私が勝つ!

「アホか、小学生か」

そう言って私を一瞥すると、愛児は鼻で笑った。

「……お前が隣に越してきてから3年が経つけどさ、お前っていつまでも経ってもガキみたいだよな」

な、なんですって?!

「とにかく地味でダサいし、土日はスッピンだろ?服はヤボったいし料理も下手なのか三日に一度は焦がしてる。バルコニーから臭うんだよ、焦げくせーったらねーぜ。あ、そうだバルコニーで思い出したが、電話すんのはいーけど、声がでかくて全部筒抜け」
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