夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「なによ、キスしたくせに」

「お前だって抱き付いてきたじゃねーか」

「だって……」

「だって、なに?」

愛児が甘く笑った。

「多分、酔ってて」

「……いーから、来いよ」

「うん」

胸がドキドキするんだけど。

いや、分かってる。

愛児は、私に何の感情もないって。

だって私はダサい女だから。

★★★

部屋から出たところで、私は思いがけない人に出会った。

「乃愛ちゃん」
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