夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
拗ねた愛児の声。

「焼きもち焼いてるの?愛児。私が愛児以外の男の人と仲良くなるとか思ってるの?」

「はあ?!アホか」

……なんだ、違うのか。

「じゃあ、別に怒んなくてもいーじゃん」

愛児は、落ち着きなく口元に手をあてがっていたが、やがて溜め息をついた。

「まあ、俺ほど耐えられる奴はいないだろーしな、お前の重みに」

……は?

お前の重み?

私は凍りついた。

来年30歳。

彼氏が年下だし、結婚にガツガツしたところを見せたくなくて、ひたすら願望を押し殺してきたというのに。

「……重い女だと思ってたの?」
< 87 / 110 >

この作品をシェア

pagetop