夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
だって、気まずい。

来年30歳の私は、焦ってないなんて言ったら嘘になる。

でも……愛児に、変なプレッシャーをかけたくない。

私なりに気を使っていたのに……許せない。

『重い女』なんて、酷い!

私は眉間にシワを寄せて愛児を睨んだ。

「あー、勝手にするわよっ!別に私、愛児と結婚したいとか思ってないし」

いや、ホントは思ってるけどな!

すると愛児は僅かにビクッと身体を震わせたけど、私を見ようとはしなかった。

「だから、勝手にしろって」

……勝手にしろなんてどの口が言ってるんだ。

おい、わかってんのか、そこのイケメン!

結婚はなぁ、ひとりで出来ねーんだぞ!
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