夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
私は手を合わせて頭を下げた。

すると、

「まー、あれだ」

愛児は決まり悪そうに咳払いをした後、私をチラリと一瞬だけ見てすぐにソッポを向いた。

「……あれって?」

「まあお隣さんのよしみで、一緒にみせてやってもいーぜ」

……は?

鳩が豆鉄砲……ていうのは古い表現かも知れないけれど、この時の私は恐らくそんな顔をしていたんだと思う。

愛児は続けた。

「今晩なら高価なワインとイベリコ豚の生ハムも付いてる」

「えっ……!」

凄いと思った。
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