夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
何が勝手にしろだ、バカヤロー!

自分の中で非常に大きな『結婚』という問題と、愛児に言われた『重い女』という言葉が心を乱し、この時の私は冷静な思考回路を保つことが出来なかった。

「分かった。勝手にする!二次会で勝手にする!!」

瞬間、愛児が私の手を掴んで引き寄せた。

「……お前、喧嘩売ってんのか」

至近距離から私を睨み付ける愛児。

その声は低く、怖かった。

なのに、引き寄せて私を胸に抱くなんて。

なによ。

「私はただ、明日の菜穂の結婚式と二次会に行くって報告しただけじゃん。なのに、二次会に行くのをよく思わなかったり、『重い女』とか言ったのは愛児じゃん。まるで私が一方的に悪いみたいに言わないでよ。喧嘩売ってんのは、愛児じゃんっ」

何だか悔しくて情けなくて、最後は涙声になってしまったまま、私も愛児を睨み付けた。
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