偽りの世界で
Side 俊太-しゅんた-

教室の窓ガラスは今日も開いていて。

とても涼しげな風が彼女の髪をなびかせる。

長くて、サラサラな黒髪をストレートにおろしている。

ずっと見つめていたら、
「おい、俊太!
俺の授業でよそ見とはいい度胸だな」

「えっ!いや、そんなつもりは…」

おどおどしながら答えた。

「よーし、ちゃんと聞いてなかった罰だ。
30ページの問題を解け。」

え?いや無理だよ。俺、数学苦手だから。
それにしても困ったな。ここは潔く謝るか。

「すみません。解りません。」

謝ると言うか、なんと言うか…。

縮こまっていると、
「クスクスッ」

誰かが笑った。

声をたどってみると……!?


そこにいたのは、









“彼女”だった。


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