居場所を下さい〜声にならないSOS〜
麻伊の存在を知ったのは中学1年の夏、学校行事で自然公園に遠足へ行った時だった。
班ごとにカレーを作ることになったお昼、ある小さな事件がきっかけだった。
私の班は、仲は良いのにやんちゃすぎた。
男女とも協力してカレーを作っていたのに、いつのまにか遊びだした私達。
火を使った料理中に遊ぶという怖さを理解するには、私達はまだ幼すぎた…。
そして小さな、けれど私達の心を動かすには充分な事件が起きた。