居場所を下さい〜声にならないSOS〜
「その日、私は彼と映画を見に行ったの。でも、どの映画を見るかでケンカになった」
私はまだまだ、麻伊の話がうまくつながらないままだった。
頭が混乱している。
「そんなんでケンカ!?って思うかもしれないけど、私たちまだ中1だったから…」
麻伊はどんどん話を続ける。
とりあえず私は、今、麻伊が話していることに対して感じたことを、素直に伝えることにした。
「ケンカしても、一緒にいた印だよ。今もこうして話せてる、大切な思い出の1つでしょ?」
「梨美…ありがと」
その言葉には答えず、無言で話の先を促した。