居場所を下さい〜声にならないSOS〜
「その時麻伊はね、私の彼に『男が女の子に手あげるなんて最低!!男尊女卑なんて時代遅れなんだから、いい加減、目覚ましな!!』って喝入れてくれたの」
「えっ……私が麻伊の彼にそんなこと言っちゃったの?しかも男尊女卑って…。キャラ変だね…」
なんて恥ずかしいことを言っちゃったんだろう。
もっといい言葉なかったのかよ!昔の自分!!
1人心の中でツッコミを入れていると、麻伊はそれに気付かずに話を続けた。
「私の彼、梨美の言葉でポカンとしちゃって…。それ見てたらなんか一気に冷めちゃった☆なんでこの人が好きだったんだろうって不思議に思っちゃってさ」
「なんか私のせいで別れちゃってるじゃん」
「ううん、いいの。もしあの後もそのまま付き合い続けてたら、暴力に怯えながら、それでも別れられないままでいたと思うから。だから私は梨美に救われたの☆」
麻伊はそう言って笑った。
だけど私にはその笑顔がどこか切なくて、やるせない気持ちになったんだよ。