居場所を下さい〜声にならないSOS〜
「私ね、今、夢があるんだ」
「夢…?」
突然の麻伊の言葉に、うまく声が出なかった。
「私ね、たくさんの人の悩みを聞いてあげられる人になりたいって思う。具体的になんの職業って決まってないけど、誰かの役に立ちたい!!」
あぁ、すごく麻伊らしいなあって思った。
この子は麻伊なんだって、すごく実感した。
そんなの当たり前なんだけど、麻伊だっ!!って思ったらすごく嬉しくなったんだ。
「私、梨美にしてもらったみたいに、言えなくて辛い想いをしてる人を理解してあげたい。話を聞くだけでも、何か変わると思うから。」
「うん。すごく麻伊らしくていいと思うよ!!…なんか嬉しい*」
「ありがと、梨美!!」
麻伊はとびっきりの笑顔を私に向けた。
私はそのとき、確かに幸せを感じていたんだ……