居場所を下さい〜声にならないSOS〜
私の疑問の答えが出ないまま、佐藤がすぐ目の前に来た。
「お前、数学の先生が新しくなってから機嫌悪くね?」
「えっ!?……そんなことないよ?」
もちろん嘘だ。
それにしても、なんで分かったんだろう。
佐藤たちとはクラスが違う。
この塾は能力別にクラスが別れていて、佐藤たちは私の下のクラスにいる。
だから余計話しずらかったのもあるけれど…
「あいつのこと嫌いなの?」
「私は別に嫌いじゃないよ?ただ、気に食わないだけ」
「それって、嫌いと同じじゃね?」
「違うの!!笑」
こんなくだらない笑い話をしたのは、いつぶりだろう。