僕の青春。
僕の変化。
頭が駆け巡る。本屋で。
一時停止に気づかない僕。
いや、ほんとは気づいてる。
どうしたらいいかわかんない。
どうしよう、、、。
っていうか店員さん、何て言ったっけ?
僕はずっと店員の顔を見ている。
やべ、なんか恥ずかしくなってきた。
多分僕今変な顔してる。
すると、店員さんは口を動かし出した。
店員「手、切れてます」
その言葉が耳に入り、我に返った。
一也「へ?、、、あ。ほんとだ」
店員「ちょっと待ってて」
そう言うと店員さんは散らかった本たちをそのままにして何処かに行った。
僕は何となくその本を2つに分けてまとめた。
何だか今までに感じたことのない感情。
これ本当に一目惚れ?
ちょっと綺麗だったから見惚れてしまっただけだと思う。
ちゃんとしろ、澤村一也。
今まで一目惚れとかバカバカしく思ってたじゃねぇか。
よし。次は大丈夫だ。一瞬だけだ。
その時、店員さんが戻ってきた。
右手に持ってたのは絆創膏。
わざわざ持ってきてくれたんだ。
店員「ちょっと失礼します」
そう言って僕を手に触れた。
やっぱりおかしい。
結構ドキドキしてる、、、。
聞こえてないかな。大丈夫かな。
店員さんは平然と傷口に絆創膏を貼る。
ブワァと鳥肌が何回もたった。
一也「ありがとうございます、、」
店員「いえ、ごめんなさい」
一也「いや、こんくらい大丈夫っす」
何気なく名札を見てみた。
「神﨑」と書いてある。
なんて読むんだろう?
「神」はわかるけど、「﨑」は見たことない。
珍しい苗字だなぁ。
「かんざき」かな?
一也「かんざき?」
ゲッ!しまった!!
思ったことそのまま出してしまった、、。
最悪だ、、、。
こいつ何?って思われるよ、、、。
終わったな。
店員「ん?あ、うん。かんざきって言います」
すると、その人は普通に話した。
大丈夫かな?
一也「難しい漢字ですね」
神﨑「よく言われる。でも書いたら簡単だから」
その人は少し微笑んだ。
素晴らしい微笑みだ。
まるで、天使の微笑みを見てるみたいだ。
気持ち悪っ。変なこと考えてるし。
初対面でこんなこと思われるの僕でも嫌なのに。
神﨑「あ」
いきなり思い出したかのように発言した。
神﨑「ここスタンプ15個集めると売られてる本1冊無料でプレゼントできることになってるの」
一也「へぇ!それはいいなぁ」
神﨑「怪我をさせちゃったお詫びに5個スタンプあげるよ」
一也「え?いや、いいっすよ!そんな気使わなくても」
神﨑「気使ってないよ」
一也「でも不公平な気がするんで大丈夫です!」
神﨑「私の気持ちだから」
一也「、、、」
神﨑「ここは甘えといて、それに本も整理してもらってるし」
一也「あ、いや僕も一応周り見てなかったのが悪いんで」
神﨑「うーん、まぁそうだね」
一也「へ?」
神﨑「嘘だよ。ふふっ」
その時初めて歯を出して笑うところを見た。
キュートな部分もあるんだ。
僕もなんか嬉しくなってくる。
初対面でこんなに話せる仲になるなんて、
思ってもみなかった。
実際じゃありえないと思ってたけど、
こういうこともあるんだ。
一也「じゃあ、、、お言葉に甘えて」
神﨑「かしこまりました」
店員さんはその本を重そうに持つ。
一也「大丈夫ですか?」
神﨑「大丈夫大丈夫、用事なかったらレジで待ってて」
一也「あ、はい」
本見ようと思ったけど、また今度でいいか。
僕はレジで待つことにした。
2、3分後。店員さんが来た。
店員さんは僕がいることを確認すると、
カードを取り出し、スタンプを5個押して僕に渡した。
神﨑「どうぞ」
一也「あ、ありがとうございます」
神﨑「いろいろ迷惑かけました」
頭を下げて僕に言う。
一也「いえ、、、また来ます」
結構勇気を出して言った言葉だ。
すると、頭を上げた店員さんは笑って
神﨑「またのご来店お待ちしております」
と言った。
僕はお辞儀して本屋を出た。
ふぅー。なんかスッキリした。
神﨑?さんだったっけ。
あの人何歳なのかな?
20歳くらいかな?
もうお酒とか飲み始めてるのかな。
煙草とか吸ってるのかな。
あの人、、、ヤッたことあるのかな。
ほら、ココだよ。気持ち悪っ。
本当にやめよう。こういうの。
ただのストーカーじゃん。
もうこれ以上にあの人との仲は深まらない。
それはもう分かっている。
今日はただただ運が良かった。
今日だけだ。
明日になると、ビックリするほど話さなくなるんだ。
あの人はこんなガキのことなんか興味ないだろうし。
僕とあの人が繋がってるのはこのカードだけ。
あまり調子に乗るな。
スタンプ5個貰っただけで。
よし、家に帰ろう。
また朝来た道を今日も帰っていく。
今日はいつもと違う。
あの人のことばっか考えてる。
あの人の微笑んだ時のことが、リピートされて頭に流れる。
僕は頭を横に振る。
そこで1回途切れた。
やっと頭から離れた。
それの繰り返しだ。
今日の帰り道はちょっとおかしかった。
家に着いて、またもやお母さんの所へ行く。
一也「お母さん、ごめん。やっぱり僕あれダメだった」
八千代「ウエウエ言ってるの聞こえたよ?」
一也「まじかよ、、、」
八千代「だからお父さんにでも見せようかな」
一也「お父さんに見せるの!?」
八千代「だってお金払ってるのに見ないのは勿体ないじゃん!」
一也「なんか僕のせいみたい、、、」
八千代「あんたのせいよ」
一也「えー!!」
八千代「間違ってはないと思う」
一也「未成年の息子にAVを見せる親はいません」
八千代「確かにそうですね」
一也「気づくの遅かったな、、、」
八千代「お父さん、もうすぐ帰ってくるって言ってたけどー」
一也「今日早いんだ」
八千代「ステーキ食べに行こうって言ってたよ?」
一也「昨日食べたじゃん、、、」
八千代「だから私たちはサラダ食べてましょ!」
一也「それは嫌だよ」
八千代「何よ、ワガママな子ね」
一也「普通に考えてステーキ屋でサラダしか食べない人とかおかしいでしょ」
八千代「じゃあお寿司でも行く?」
一也「そうしよ」
八千代「へいへーい」
僕はまた見なきゃいけない。
またあの光景を、、、。
ガラガラガラ
玄関が開く音がした。
げっ!
帰りが早いお父さんが帰ってきた。
八千代「剛くん!お帰りなさい!」
一也の父・剛「やっちゃん!ただいま!」
で、ハグをする親。
見てしまった、、、。
40代カップルのラブラブモード。
子供の前でハグをしてるところとか見せるなよ、、、。
親は意外と子供のことを一番わかってないものです。
毎日会ってるのに帰ってきたら必ずハグする40代カップルここにしかいないと思う。
一也「お父さん、おかえり」
剛「一也!久しぶりだな!」
一也「久しぶりって言っても2日ぶりだけどね」
剛「よし!ステーキ行くぞ!」
一也「ステーキ屋に行くぞでしょ」
八千代「待って!剛くん」
剛「どうした?やっちゃん」
夫婦でその呼び方やめろや。
八千代「実は、、昨日2人でステーキ食べに行っちゃったの、、」
剛「そうか!なら寿司だ!」
一也「軽!」
八千代「私たちもさっき寿司って言ってたの!」
剛「やっぱ家族だな!むふっ!」
一也「さすがにむふっ!はやめて」
八千代「そうと決まれば一也!早く用意しなさい!」
一也「へ?あ、はい」
僕はすぐに自分の部屋に行き、制服を脱ぐ
2日続けて外食かぁ。
まぁたまにはいいか。
またパンツ1丁になって、性器を見た。
やっぱり立たない。まぁ当たり前か。
私服に着替えてカバンを持ち、階段を下りた。
すると、夫婦揃って準備できていた。
一也「相変わらず早いな、、、」
剛「よし!車乗るぞ!」
八千代「うん!ふふふ♥」
一也「気持ち悪っ」
八千代「今何て言った?」
一也「いえ、何も」
この夫婦のラブラブっぷりは変わらず、
ため息をつくしかない僕は車に乗る。
僕も恋人とかできたらこんなふうになるんだろうか?
そうなったら嫌だな、、、。
想像してみた。
やばい。あの人が出てくる。
ダメだダメだ。
想像が妄想になっている、、、。
僕、やばい人かも。
これ結構なやつだよな。
恋人になるわけないじゃん。
あの人は明らかに大学生くらい。
相手が居るはず、、、。
彼氏がいてもう同棲してたり、、、。
僕、何考えてるんだろう。
なんでこんなこと考えてる?
僕、、、恋してるの?
なわけないじゃん。
一目惚れしただけ。
っていうか一目惚れって何?
一目惚れってただ可愛いなぁと思うだけだよね?
一目惚れって恋の始まり?
曖昧な言葉はあまり好きじゃない。
とにかく、あまりあの人のことは考えないでいよう。
これからは普通に接するんだ。
よし。
剛「よっしゃ!!」
お父さんの声で我に返った。
一也「びっくりした、、、」
剛「どこの寿司屋にする?」
八千代「あんま寿司とか食べないもんね、、、」
剛「やっちゃんの好きな所でいいよ♥」
八千代「ほんと?剛くん優しい♥」
子供優先じゃねぇのかよ。
八千代「じゃあ寿司一平行こ!」
剛「寿司一平な!了解!やっちゃん!しっかり掴まってろよ!」
八千代「わかった!」
一也「ここ車ですけど。どこにも掴まらなくていいんですよ?」
「寿司一平」とは、ここら辺じゃ美味しいと有名な寿司屋である。
他では食べられないようなメニューが沢山あって、一番のオススメは厚焼き玉子。
ホクホクしてて何もつけなくても味が十分染み込んでるらしい。
寿司屋なんだから、寿司をオススメしろよ。
僕は小さい頃に1回だけある。
その時に何個も食べたのがウニ。
今はあんま好きじゃないんだけど。
味覚って変わるんですよね。
ちなみにお父さんは味噌汁が大好きで、
ファミレスに行ったら、必ず和食定食を頼んで味噌汁を飲もうとする。
でも一番好きなのはやっぱりお母さんの味噌汁。
まぁ僕も大好きだけど。
お父さんの車の中では、中島みゆきが流れている。
がっつりした曲が好きだとのこと。
「地上の星」は毎日欠かさず聞くらしい。
今も流れている。
お父さんは中島みゆきを真似て歌っている。
でもお父さんは歌が凄い下手。
だからお母さんは大笑いしてる。
僕はもう聞き飽きて笑いすら出てこない。
そんなこんなで寿司屋に着いた。
駐車場には車が結構あって、空いてるのがごくわずかだった。
なんとか駐車する所を確保した。
剛「人多いなぁ」
八千代「そうね、、、」
まぁとりあえず中に入ることにした。
案の定、中には待ってる人がいた。
名前を書いて椅子に座って待つことにする。
寿司の写真見てたらお腹空いてきたなぁ。
剛「写真見てたら腹減ってきたなぁ!」
僕が思ってたのと同じこと言ってる。
さすが親子だな。
ゲッ。親に似てきてたりして。
やばい。気をつけなきゃ。
周りを見渡してみると、本棚があった。
漫画から絵本まで多く置かれている。
さっきの本屋を思い出した。
あの人がまた頭の中に出てくる。
もう、、、。忘れかけてたのに。
その時に店員に声をかけられた。
店員「3名様でテーブル席で澤村様ですね?」
剛「はい!」
店員「席までご案内します」
お母さんとお父さんはワクワクしてる様子。
僕も寿司はあまり食べないからワクワクしてきた。
何食べようかな。
トロにしようかな。
厚焼き玉子食べようかな。
オススメはやっぱ食べなきゃだな。
テーブル席で僕の前に親2人が座った。
剛「何だか舞い上がってきたな!好きなだけ食え!今日は俺の奢りだ!」
八千代「剛くん、太っ腹!」
一也「じゃあ遠慮なく」
メニューをとって見る。
剛「すいません!さより一つ!」
お腹空いてきた。
いっぱい食べて帰ろう。
今日はいろいろあった日だから。
いっぱい食べて何もかも忘れてしまおう。
未来さんのことも、あの人のことも。
周りを見渡すと、オススメや味噌汁やデザートが紹介されている。
八千代「じゃあ私はサーモンで!一也何か決まった?」
一也「うーん、じゃあ鮪の赤身で」
八千代「お願いします!」
剛「一也、ビール入れてきてくれないか?」
一也「え?でも飲酒運転になっちゃうよ」
一時停止に気づかない僕。
いや、ほんとは気づいてる。
どうしたらいいかわかんない。
どうしよう、、、。
っていうか店員さん、何て言ったっけ?
僕はずっと店員の顔を見ている。
やべ、なんか恥ずかしくなってきた。
多分僕今変な顔してる。
すると、店員さんは口を動かし出した。
店員「手、切れてます」
その言葉が耳に入り、我に返った。
一也「へ?、、、あ。ほんとだ」
店員「ちょっと待ってて」
そう言うと店員さんは散らかった本たちをそのままにして何処かに行った。
僕は何となくその本を2つに分けてまとめた。
何だか今までに感じたことのない感情。
これ本当に一目惚れ?
ちょっと綺麗だったから見惚れてしまっただけだと思う。
ちゃんとしろ、澤村一也。
今まで一目惚れとかバカバカしく思ってたじゃねぇか。
よし。次は大丈夫だ。一瞬だけだ。
その時、店員さんが戻ってきた。
右手に持ってたのは絆創膏。
わざわざ持ってきてくれたんだ。
店員「ちょっと失礼します」
そう言って僕を手に触れた。
やっぱりおかしい。
結構ドキドキしてる、、、。
聞こえてないかな。大丈夫かな。
店員さんは平然と傷口に絆創膏を貼る。
ブワァと鳥肌が何回もたった。
一也「ありがとうございます、、」
店員「いえ、ごめんなさい」
一也「いや、こんくらい大丈夫っす」
何気なく名札を見てみた。
「神﨑」と書いてある。
なんて読むんだろう?
「神」はわかるけど、「﨑」は見たことない。
珍しい苗字だなぁ。
「かんざき」かな?
一也「かんざき?」
ゲッ!しまった!!
思ったことそのまま出してしまった、、。
最悪だ、、、。
こいつ何?って思われるよ、、、。
終わったな。
店員「ん?あ、うん。かんざきって言います」
すると、その人は普通に話した。
大丈夫かな?
一也「難しい漢字ですね」
神﨑「よく言われる。でも書いたら簡単だから」
その人は少し微笑んだ。
素晴らしい微笑みだ。
まるで、天使の微笑みを見てるみたいだ。
気持ち悪っ。変なこと考えてるし。
初対面でこんなこと思われるの僕でも嫌なのに。
神﨑「あ」
いきなり思い出したかのように発言した。
神﨑「ここスタンプ15個集めると売られてる本1冊無料でプレゼントできることになってるの」
一也「へぇ!それはいいなぁ」
神﨑「怪我をさせちゃったお詫びに5個スタンプあげるよ」
一也「え?いや、いいっすよ!そんな気使わなくても」
神﨑「気使ってないよ」
一也「でも不公平な気がするんで大丈夫です!」
神﨑「私の気持ちだから」
一也「、、、」
神﨑「ここは甘えといて、それに本も整理してもらってるし」
一也「あ、いや僕も一応周り見てなかったのが悪いんで」
神﨑「うーん、まぁそうだね」
一也「へ?」
神﨑「嘘だよ。ふふっ」
その時初めて歯を出して笑うところを見た。
キュートな部分もあるんだ。
僕もなんか嬉しくなってくる。
初対面でこんなに話せる仲になるなんて、
思ってもみなかった。
実際じゃありえないと思ってたけど、
こういうこともあるんだ。
一也「じゃあ、、、お言葉に甘えて」
神﨑「かしこまりました」
店員さんはその本を重そうに持つ。
一也「大丈夫ですか?」
神﨑「大丈夫大丈夫、用事なかったらレジで待ってて」
一也「あ、はい」
本見ようと思ったけど、また今度でいいか。
僕はレジで待つことにした。
2、3分後。店員さんが来た。
店員さんは僕がいることを確認すると、
カードを取り出し、スタンプを5個押して僕に渡した。
神﨑「どうぞ」
一也「あ、ありがとうございます」
神﨑「いろいろ迷惑かけました」
頭を下げて僕に言う。
一也「いえ、、、また来ます」
結構勇気を出して言った言葉だ。
すると、頭を上げた店員さんは笑って
神﨑「またのご来店お待ちしております」
と言った。
僕はお辞儀して本屋を出た。
ふぅー。なんかスッキリした。
神﨑?さんだったっけ。
あの人何歳なのかな?
20歳くらいかな?
もうお酒とか飲み始めてるのかな。
煙草とか吸ってるのかな。
あの人、、、ヤッたことあるのかな。
ほら、ココだよ。気持ち悪っ。
本当にやめよう。こういうの。
ただのストーカーじゃん。
もうこれ以上にあの人との仲は深まらない。
それはもう分かっている。
今日はただただ運が良かった。
今日だけだ。
明日になると、ビックリするほど話さなくなるんだ。
あの人はこんなガキのことなんか興味ないだろうし。
僕とあの人が繋がってるのはこのカードだけ。
あまり調子に乗るな。
スタンプ5個貰っただけで。
よし、家に帰ろう。
また朝来た道を今日も帰っていく。
今日はいつもと違う。
あの人のことばっか考えてる。
あの人の微笑んだ時のことが、リピートされて頭に流れる。
僕は頭を横に振る。
そこで1回途切れた。
やっと頭から離れた。
それの繰り返しだ。
今日の帰り道はちょっとおかしかった。
家に着いて、またもやお母さんの所へ行く。
一也「お母さん、ごめん。やっぱり僕あれダメだった」
八千代「ウエウエ言ってるの聞こえたよ?」
一也「まじかよ、、、」
八千代「だからお父さんにでも見せようかな」
一也「お父さんに見せるの!?」
八千代「だってお金払ってるのに見ないのは勿体ないじゃん!」
一也「なんか僕のせいみたい、、、」
八千代「あんたのせいよ」
一也「えー!!」
八千代「間違ってはないと思う」
一也「未成年の息子にAVを見せる親はいません」
八千代「確かにそうですね」
一也「気づくの遅かったな、、、」
八千代「お父さん、もうすぐ帰ってくるって言ってたけどー」
一也「今日早いんだ」
八千代「ステーキ食べに行こうって言ってたよ?」
一也「昨日食べたじゃん、、、」
八千代「だから私たちはサラダ食べてましょ!」
一也「それは嫌だよ」
八千代「何よ、ワガママな子ね」
一也「普通に考えてステーキ屋でサラダしか食べない人とかおかしいでしょ」
八千代「じゃあお寿司でも行く?」
一也「そうしよ」
八千代「へいへーい」
僕はまた見なきゃいけない。
またあの光景を、、、。
ガラガラガラ
玄関が開く音がした。
げっ!
帰りが早いお父さんが帰ってきた。
八千代「剛くん!お帰りなさい!」
一也の父・剛「やっちゃん!ただいま!」
で、ハグをする親。
見てしまった、、、。
40代カップルのラブラブモード。
子供の前でハグをしてるところとか見せるなよ、、、。
親は意外と子供のことを一番わかってないものです。
毎日会ってるのに帰ってきたら必ずハグする40代カップルここにしかいないと思う。
一也「お父さん、おかえり」
剛「一也!久しぶりだな!」
一也「久しぶりって言っても2日ぶりだけどね」
剛「よし!ステーキ行くぞ!」
一也「ステーキ屋に行くぞでしょ」
八千代「待って!剛くん」
剛「どうした?やっちゃん」
夫婦でその呼び方やめろや。
八千代「実は、、昨日2人でステーキ食べに行っちゃったの、、」
剛「そうか!なら寿司だ!」
一也「軽!」
八千代「私たちもさっき寿司って言ってたの!」
剛「やっぱ家族だな!むふっ!」
一也「さすがにむふっ!はやめて」
八千代「そうと決まれば一也!早く用意しなさい!」
一也「へ?あ、はい」
僕はすぐに自分の部屋に行き、制服を脱ぐ
2日続けて外食かぁ。
まぁたまにはいいか。
またパンツ1丁になって、性器を見た。
やっぱり立たない。まぁ当たり前か。
私服に着替えてカバンを持ち、階段を下りた。
すると、夫婦揃って準備できていた。
一也「相変わらず早いな、、、」
剛「よし!車乗るぞ!」
八千代「うん!ふふふ♥」
一也「気持ち悪っ」
八千代「今何て言った?」
一也「いえ、何も」
この夫婦のラブラブっぷりは変わらず、
ため息をつくしかない僕は車に乗る。
僕も恋人とかできたらこんなふうになるんだろうか?
そうなったら嫌だな、、、。
想像してみた。
やばい。あの人が出てくる。
ダメだダメだ。
想像が妄想になっている、、、。
僕、やばい人かも。
これ結構なやつだよな。
恋人になるわけないじゃん。
あの人は明らかに大学生くらい。
相手が居るはず、、、。
彼氏がいてもう同棲してたり、、、。
僕、何考えてるんだろう。
なんでこんなこと考えてる?
僕、、、恋してるの?
なわけないじゃん。
一目惚れしただけ。
っていうか一目惚れって何?
一目惚れってただ可愛いなぁと思うだけだよね?
一目惚れって恋の始まり?
曖昧な言葉はあまり好きじゃない。
とにかく、あまりあの人のことは考えないでいよう。
これからは普通に接するんだ。
よし。
剛「よっしゃ!!」
お父さんの声で我に返った。
一也「びっくりした、、、」
剛「どこの寿司屋にする?」
八千代「あんま寿司とか食べないもんね、、、」
剛「やっちゃんの好きな所でいいよ♥」
八千代「ほんと?剛くん優しい♥」
子供優先じゃねぇのかよ。
八千代「じゃあ寿司一平行こ!」
剛「寿司一平な!了解!やっちゃん!しっかり掴まってろよ!」
八千代「わかった!」
一也「ここ車ですけど。どこにも掴まらなくていいんですよ?」
「寿司一平」とは、ここら辺じゃ美味しいと有名な寿司屋である。
他では食べられないようなメニューが沢山あって、一番のオススメは厚焼き玉子。
ホクホクしてて何もつけなくても味が十分染み込んでるらしい。
寿司屋なんだから、寿司をオススメしろよ。
僕は小さい頃に1回だけある。
その時に何個も食べたのがウニ。
今はあんま好きじゃないんだけど。
味覚って変わるんですよね。
ちなみにお父さんは味噌汁が大好きで、
ファミレスに行ったら、必ず和食定食を頼んで味噌汁を飲もうとする。
でも一番好きなのはやっぱりお母さんの味噌汁。
まぁ僕も大好きだけど。
お父さんの車の中では、中島みゆきが流れている。
がっつりした曲が好きだとのこと。
「地上の星」は毎日欠かさず聞くらしい。
今も流れている。
お父さんは中島みゆきを真似て歌っている。
でもお父さんは歌が凄い下手。
だからお母さんは大笑いしてる。
僕はもう聞き飽きて笑いすら出てこない。
そんなこんなで寿司屋に着いた。
駐車場には車が結構あって、空いてるのがごくわずかだった。
なんとか駐車する所を確保した。
剛「人多いなぁ」
八千代「そうね、、、」
まぁとりあえず中に入ることにした。
案の定、中には待ってる人がいた。
名前を書いて椅子に座って待つことにする。
寿司の写真見てたらお腹空いてきたなぁ。
剛「写真見てたら腹減ってきたなぁ!」
僕が思ってたのと同じこと言ってる。
さすが親子だな。
ゲッ。親に似てきてたりして。
やばい。気をつけなきゃ。
周りを見渡してみると、本棚があった。
漫画から絵本まで多く置かれている。
さっきの本屋を思い出した。
あの人がまた頭の中に出てくる。
もう、、、。忘れかけてたのに。
その時に店員に声をかけられた。
店員「3名様でテーブル席で澤村様ですね?」
剛「はい!」
店員「席までご案内します」
お母さんとお父さんはワクワクしてる様子。
僕も寿司はあまり食べないからワクワクしてきた。
何食べようかな。
トロにしようかな。
厚焼き玉子食べようかな。
オススメはやっぱ食べなきゃだな。
テーブル席で僕の前に親2人が座った。
剛「何だか舞い上がってきたな!好きなだけ食え!今日は俺の奢りだ!」
八千代「剛くん、太っ腹!」
一也「じゃあ遠慮なく」
メニューをとって見る。
剛「すいません!さより一つ!」
お腹空いてきた。
いっぱい食べて帰ろう。
今日はいろいろあった日だから。
いっぱい食べて何もかも忘れてしまおう。
未来さんのことも、あの人のことも。
周りを見渡すと、オススメや味噌汁やデザートが紹介されている。
八千代「じゃあ私はサーモンで!一也何か決まった?」
一也「うーん、じゃあ鮪の赤身で」
八千代「お願いします!」
剛「一也、ビール入れてきてくれないか?」
一也「え?でも飲酒運転になっちゃうよ」