<BL> お前は俺のものだ。
「何をしていたの聞いている……悠真!」
「旦那様、お気持ちをお沈めください」
「お前は、黙っていろ、こっちにこい」
父上に、腕を引っ張られ、何もない部屋に
押し込まれ、鍵を閉められた。
「航大、航大!!」
叫んでも、誰も来る気配がなかった。
あれから、何時間たったのか。
今日は、雨で寒くなると言っていた。
薄手の長袖では、寒いくらいだ。
肌で感じる寒さ、心に感じる寒さ。
凍えそうだ。
その時、ドアが開いた。
「出ろ」
父上がいたが、航大は、いなかった。
「航大は、どこですか?」
「あいつは、クビにした。
あいつのことは忘れろ、いいな」
そう言って、去っていった。
「航大がいない」
理解できずに航大の部屋に行った。
「航大!!」
そこは、もぬけの殻だった。
その後、俺が閉じ込められていた時間は
九時間だと分かった。
もう、辺りは暗くなっていた。
航大が、居なくなってしまった。