<BL>   お前は俺のものだ。
その後、京介さんが色々手配してくれた。

僕は、京介さんの指示に従った。



「悠真、準備出来たか」



頷いた。



「行こう」



そして、病院に入院することになった。


もう、ある意味、安心。

誰も自分を傷つける人はいない、でも、

一番側にいて欲しい人がいない。


航大に会いたい、会いたい。






検査をして、ちゃんと見てもらうと、
分かったことがあった。


失声症。


寝れないのは不眠症ではないとされた。

俺の場合、寝れなくなる。

それだけ。


どちらともストレスが原因とされた。




航大に会えないだけでこうなる。

俺は、どうすれば、良いんだろう。


ストレスの原因を聞かれて、京介さんに話した。


実際には、ノートに書いてそれを見せた。


それから、京介さんは、自分ができる限り
航大を探したが見つからなかった。


父上のやることだから、下手したら、もう、会えないかもしれない。
 

航大には、一生。





それから、病室を移ることになった。


京介さんは、何も言わなかったが、

精神病棟と言うところだと思う。


前にも来たことがある。





僕が、声を失ったのは初めてではない。

それは、航大と出会う前の話。


凛兄が気づいて、病院に行くと、
失声症と言うことが分かった。


それが、六歳の時。


何年も治らなかった。


声が出ないから、具合が悪くなっても、言えなかった。


それで、我慢して倒れることは、何回もあった。


倒れて、病院に運ばれて、起きると、
凛兄と京介さんは安堵していたけど、
親は、嫌な顔をしていた。


聞いてしまったことがある。


『死ねば、お金掛からないのに。
病死してくれれば、周りの同情を買えるのに、本当に悪魔の子』


そういう、親の会話を聞いてしまった。




けど、そんな時に航大と出会ったんだ。



航大と出会って、二年間も出なかった

声が二週間で出るようになった。


それから、航大が好きになってしまった。


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