不思議なこの世界(仮)
「それに、変な服を身にまとってるし……あんな町外れの森にいるし……」
「おおそういえば、アリア様はどうしてあの場所に?」
じいがそう言うと、お姫様はビクッと肩を上げた。これは、何か知られたくないことでもあるのだろう。私たちの目がキラリと光った。
「じ、じいには関係ないわ!!!!ガイヤ、そろそろおやつの時間のはずよ!!!!」
お姫様はそう言うと、どたどたと急いでこの部屋を出て行った。お姫様の態度はとても分かりやすかった。
「おじさん、姫様は何か隠し事してるんじゃないの?」
「わしはおじさんではない!じいじゃ!じいとお呼びなされ!」
「では、改めて……じい、姫様は何か隠し事してるんじゃないの?」
「おお、やはりお主もそう思うか」
さえちゃんがそう言うと、じいは共感者が居たことに感動したのだろう、とたとたと近づいてきた。じいの身長は私たちの座高の高さで、なんとも可愛いサイズ感だった。
「ここ数日、姫様は勝手に城を抜け出しては、わしらを困らせておってな。今まで城を抜け出したことなんて一度もなかったのに……」
「それで、じいたちは誰かにそそのかされているのかと思って……」
「私たちを疑ったのね!とんだ迷惑!」
「そんな奇妙な服を身にまとっておるから…」
「これは制服っていう立派な服よ!」
なぜかさえちゃんは自信満々に言った。
どうやら、あの時も姫様は勝手に城を抜け出して町外れの森に来ていたみたい。でも、一国のお姫様がどうしてあんな所まで、しかも一人で来たんだろう。
「さえちゃん……」
「いちご……そうね!」
さえちゃんは、私が言いたかったことを察してくれた。どうして姫様がお城から抜け出すのか、調べてみせる!