不思議なこの世界(仮)
森の中=野生の生き物多数。小説、漫画でよくあるパターンは……熊に遭遇。
私とさえちゃんは震えながら身を寄り添った。襲われるだろう不安で、自然と震えていた。
“ガサッ!!!!”
「「キャッ……えっ?」」
「あなたたち、どなた??」
草陰から現れたのは、ピンクの綺麗なドレスを身にまとったなんとも可愛いらしい女の子だった。私たちは、熊が出るのかと思っていた分、ホッと胸をなでおろした。
「姫様ーーー!!!!」
「姫様ーーーどちらでーーー!!??」
「……やばい」
荒々しい男性の声がだんだん近づいてくる。それにつれ、女の子は顔をゆがめていく。
「あなたたち、私をかくまいなさい!」
「はっ?」
「変な格好をしてるけど、まあいいわ!ほらどうにかして!」
「どうにかって……」
女の子はとても気の強い子だった。さえちゃんはその子の態度にとても不満を感じているようだった。
「いたぞーーーー!!!!!」
「姫様ご無事で」
私たちがもたついている間に、鎧を着た男たちに見つかってしまった。姫様と呼ばれている女の子はすぐに保護され、私たちはというと……
「……なんで、こうなるかな?」
「私たち、このまま殺されるとか」
「それだけは嫌!!!!」
あっという間に男たちに囲まれ、槍を向けられていた。槍の先がキラリと光るのを見て、私はこの世の終わりを感じた。