不思議なこの世界(仮)
「離せーーー!!変態!!どこ触ってんのよ!!!」
「ええい!うるさい小娘が!!」
「わぁ大きなお城……」
兵士たちに連れられ、私たちは本でしか見たことないようなお城に来ていた。
さえちゃんは、怯えているかと思っていたけど、全然そんなことはなかった。むしろ、歯向かう元気が出てきたみたいで、いつもの元気なさえちゃんに戻っていた。
「お待たせ致しました。アリア様」
「あっ、さっきの女の子……」
「このお方を誰だと思っておる!!この国唯一の跡取り、アリア姫様だぞ!!」
たどり着いたのは、お城の中の大広間のようだった。絨毯からシャンデリア、絵画全て高価なものだろう。私たちは、初めて見る光景に辺りを見回すばかりで、お姫様の隣にいたおじいちゃんの話は耳に入っていなかった。
「話を聞けー!!!!!」
「うるさいわ、じい」
「しかし、姫様……こやつらが……」
じいと呼ばれる者は、しょんぼりとしていた。
「あなたたち、どこの国の者?どうやら、この国の者ではないみたいねっ」
「私たちは東京っていう所に……」
「……東京??聞いたことないわ!変なの!」
お姫様は、私たちの近くに寄ってきて、じろじろと見てくる。じろじろ見られてあまりいい気はしなかった。