黒猫の気ままに
答えは、みつからない。



のに考えてしまう。



それでもただ目の前にあるのは、くろと呼ばれた、自分の手、お母さん達とは全然違うと解った手、自分。





遠目に見える、兄弟たち。



隣にいるお母さん。





そして僕。



嫌われ者の。




あぁあ、しろだったら違うんだろうか、



飼い主さんにも、頭をなでなでして貰えるんだろうか。




自分が自分ではないような、嫌な考えばかりが頭を回っていった。



自分はくろ。


嫌われ者だ。



自分を覆うのは、悲しみではなく妬みかもしれない。



今、気付いた。




僕はここにいていいのだろうか……





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