黒猫の気ままに
男はにこっと笑って、内側から棒を取り出した。
「君はただ、目を閉じるだけでいい。」
瞼の裏の黒い世界が、生まれ変わる。
良くも、悪くも。
それが君の選んだ道なのだ。
「僕はほんの気まぐれな魔法使いで、もう2度と君の前には現れない。」
君は後悔しても、後戻りは出来ない。
「それでもいいかい?」
「うん。」
それで未来が変わるなら。
黒い闇を染めることが出来るなら。
「この先何が起きて、恨んでも何も変わりはしない。感謝なんかもしなくていいよ。」
全ては必然なのだから。
偶然などはない。
色んな出会いは君が必要とした事象。
僕も例外ではないよ。