黒猫の気ままに


男はにこっと笑って、内側から棒を取り出した。




「君はただ、目を閉じるだけでいい。」


瞼の裏の黒い世界が、生まれ変わる。




良くも、悪くも。


それが君の選んだ道なのだ。




「僕はほんの気まぐれな魔法使いで、もう2度と君の前には現れない。」


君は後悔しても、後戻りは出来ない。




「それでもいいかい?」


「うん。」




それで未来が変わるなら。


黒い闇を染めることが出来るなら。




「この先何が起きて、恨んでも何も変わりはしない。感謝なんかもしなくていいよ。」


全ては必然なのだから。




偶然などはない。


色んな出会いは君が必要とした事象。


僕も例外ではないよ。





< 25 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop