黒猫の気ままに

「どうしてかしら…」



女は不意にこんな事を言った。



「だよな…」



男は女の不意な問に頭も曲げず言った。





そうなのだ。


黒猫が生まれるのはおかしい。




そんな二人の意見が一致しているのだから。





「なんか気味悪いわ…」



女は頭を抱え、物思いにふけた顔をしている。





しーん。と沈黙が続いた後、男は決心したとばかりに口を開いた。




「捨てに…行くか。」




女はその答えに驚きもせず、ただ頷いた。



この答えでさえ、驚かないということは、またもや一致した意見だと言うのだろうか。