黒猫の気ままに
と黒猫の出す剣幕に怯えるばかりの白に、黒猫は気付いたのか少々声を弱めていった。
「すまねぇ、俺は何かと皆に怒ってると勘違いされやすくてよ。別に怒ってるわけじゃねーから安心しろ。」
強い口調ながら優しい声で言うので、白は少し安心した。
安心半分、警戒と興味で半分。
白はこの、前の自分と似ている彼をじっと見つめた。
見て、ずーっと見つめていると、最後に黒猫は嘆息切れて口を開いた。
「じろじろ見んな。」
「ごめんなさい。」
白が言うて、黒猫は後ろを振り返り歩き始めた。