黒猫の気ままに


後ろを見るので、多分、"ついてこい"という意味だろうと理解した白はその黒猫の後を追う。


そうして二匹は、路地を曲がった先のこの場所に辿り着いた。




「さて。」


と黒猫が言ったところで白もその場に座った。




「お前は旅猫なのか?」


「たびねこ?」


「あぁ、あちこちを旅してまわる猫のけとだよ。」


「ううん、違うよ。」


「そーなのか。」




一通り話したところで会話が止まった。


どうやら黒猫は雪ほどお喋りではないらしい。


しばらくして白は、自ら口を開いた。




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