黒猫の気ままに
小さな手
”僕もあんな猫になりたい。”
白はひたすら進み続けた。
行く道はわからなくても、ひたすら歩いた。
この街を出る。
ここは僕の居場所じゃないから。
振り返れば色んな存在が、無知な僕を諭してくれた。
見えない僕の道を照らしてくれた。
だから。
僕は今、なんとなくだけれどわかるよ。
僕のたった独りの大事な存在。
長い旅路の先に光る、僕を迎えてくれるはずの存在。
例えそうじゃなかったとしても、僕は目指すよ。
お母さん。
僕は帰っていいですか?