シ・ン・デ 〜身代わり〜
ー9:12ー
私は廊下を歩いていると、ある教室のドアの窓から……彩雨達?
微かに彩雨達の声が聞こえる。こんな所で何を話して……
『今日さ、香里がさっちゃんって知ってる?て、話しかけてきたの……』
『え……!?幸子ちゃんの事……』
え……?彩雨?
さっちゃんの事知らないんじゃ……
彩雨の話に優子が答えていた。
『多分、幸子ちゃんの事だと思う。』
何か知ってることでもあるの?
『ねぇ……皆ここで何話してたの?さっちゃんの事知ってたの?』
『かっ、香里!?』
皆、何かを隠している。
『あっ……さっちゃんって、私たちの友達の事なんだよ?でも、小学生の時に死んじゃって……でも、香里の言うさっちゃんとは違うと思うよ?』
『そーだったんだ……』
なーんだ、そういう事だったんだ。