神井くん 初めてのチュウ
彼女は本来役者ではない。昨日までは、今彼女が演じている演技を一年生がやっていた。だが先日、主演だった美波が怪我をして舞台を降りる事になってしまったため、急遽友人役だった横江を主演に据え直し、端役だった一年を友人役へスライドさせることになった。そして端役をやる女優が足りなくなり、裏方だった俺の彼女をひっぱりだしてきたのだ。
「すみません。こっちは演技なんですが、本気で拒否られると、結構、傷つくんですけど。」
山田が彼女に苦情を言う。彼女は役者じゃないんだ。仕方ないだろ。責めるなよ。
「ご、ごめんなさい。なんか、ごめんなさい。」
見ていられなくて、必死にバレーボール部の練習の方へ意識を向ける。汗ダラダラ流しながら、よくやるよなぁ。とか。。どんなに誤摩化してみても、自分の眉間に皺が寄っているのが自分で分かる。耳だってダンボだ。役者が総出で彼女の演技指導を始めてしまい、彼女は逃げようがない。
庇ってやれたら良かったけれど、俺達のことはまだ部ではオープンにしていなかった。部内でカップルという立場が想像がつかなかったのもあるし、俺自身、彼女を手に入れたと言う実感がまだ薄かったからだ。要するに自信がなかったのだ。
「すみません。こっちは演技なんですが、本気で拒否られると、結構、傷つくんですけど。」
山田が彼女に苦情を言う。彼女は役者じゃないんだ。仕方ないだろ。責めるなよ。
「ご、ごめんなさい。なんか、ごめんなさい。」
見ていられなくて、必死にバレーボール部の練習の方へ意識を向ける。汗ダラダラ流しながら、よくやるよなぁ。とか。。どんなに誤摩化してみても、自分の眉間に皺が寄っているのが自分で分かる。耳だってダンボだ。役者が総出で彼女の演技指導を始めてしまい、彼女は逃げようがない。
庇ってやれたら良かったけれど、俺達のことはまだ部ではオープンにしていなかった。部内でカップルという立場が想像がつかなかったのもあるし、俺自身、彼女を手に入れたと言う実感がまだ薄かったからだ。要するに自信がなかったのだ。