鬼社長のお気に入り!?
「帰ります」


 私は機敏に回れ右をするとそのままドアへ向かって歩きだした。すると、八神さんの小さな咳払いがした。


「おい」


「まだなにかありますか?」


「お前のアイデア……助かった」


 え? 八神さんが……そんなこというわけないよね――?


 ちらっと肩ごしに振り向くと、八神さんがほんのり顔を赤く染めて目を泳がせていた。
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