鬼社長のお気に入り!?
第七章 自由の女神は微笑むか?
「あ、あの~杉野さん? これ、もしよかったらコピー取ってファイルに保存しておいてくれると助か――」


「はい……」


「えーっと、ごめん! やっぱり自分でやるからいいわ! うん」


 どんよりとした週があけて、ずっと泣き晴らしていたせいか瞼が重い。どんな顔をしているかなんて怖くて鏡も見られない。出勤早々会社の人たちが私を見る視線が異様だ。


 私に雑用を頼もうとした女性社員もまるでバケモノでも見たかのように慌てて逃げてしまった。


 これはこれでいい魔除けになるかも――。


 身も心もボロボロだというのに、考え方だけは変わらず楽観的なのはせめてもの救いかもしれない。
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