鬼社長のお気に入り!?
 盆休みも終わり、気だるい身体にシャワーを浴びて、会社へ行くために身支度を整える。鏡の前に映った自分の顔はまだ眠そうにしていた。


 毛先の揃ったロングヘアをバレッタで留め、テーブルに置いてある“杉野愛理様”と書かれた実家からの封書を手にとった。まだ封は開けていない。


 どうせ盆休みに帰省しなかったことについて、親からの小言がずらずらとならべられているに違いない。休み中に何度か親から着信が入っていたが、後でかけ直そうと思ってもついつい忘れてしまうのだ。


 まぁ、いいや、帰ってきてから読もう。そう思い、仕事に行く前に手紙を読むのをやめて私は会社へ向かった。
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