鬼社長のお気に入り!?
「はい!」


『なんだよ朝っぱらから元気いいな』


「あ、八神さん、おはようございます」


『あぁ、あのさ……今日これから行くんだろ? 桐生電気の恥さらし会』


「恥さらしって……あはは、はい、これから家でるところです」


『……気が向いたら行ってやってもいい』


「えっ!? 本当ですか!?」


 思わぬ展開に私の胸が踊りだす。あれだけ誘っても行かないと意固地になってた八神さんがついに折れた。


『って言っても、俺もいま依頼の仕事が忙しくて、終わりの目処が立てばだけどな』


「わかりました。八神さんも無理しないでくださいね」


『あぁ、桐生の発表会ごときのために無駄な無理なんかしないから安心しろ』


 そう言って電話が切れた。八神さんのいまメインでやってる仕事は確かイルミネーションデザインだ。おそらくクリスマスまでには間に合わせなければならないのだろう。カレンダーを見るとクリスマスまであと数週間しかない。


 八神さんの仕事が早く終わりますよーに……。
< 314 / 367 >

この作品をシェア

pagetop