鬼社長のお気に入り!?
「お待ちしていました。加納と申します。こちらへどうぞ」


 爽やかなライトブルーのシャツにジーンズというラフな格好をした男性社員に案内されて、私は応接室へ通された。


「お茶をどうぞ、もうしばらくしたら社長が参りますので」


「あ、はい」


 き、緊張してきた……いきなり社長面接だなんて聞いてないよぉ――。


 ひとり応接室に取り残されて、気持ちを落ち着かせるためにひとくちお茶を飲む。そして「はぁ」と一息ついたところで背後のドアが開いた。


「お待たせしました。ジークスデザイン事務所の代表取締役、八神蓮司です」


「は、初めまして……私――」


 弾かれたように立ち上がり、下げた頭をあげて名前を言おうとしたが、部屋に入ってきたその人を見て口がふさがらなくなった。


「え……? あ、あなたは……」
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