それでもまた恋をする
「ったくおせーな」

次の日。

すでに待ち合わせの場所に着いて待っていた俺は、スマホで時間を確認すると2時になっていた。

「おいおい、最後の最後で大遅刻かよ」

スマホから視線を周りへと移すが翔子の姿はまだない。

さすがにこんな一時間も遅刻とはおかしいと電話をかけようとした時。

「おばさん?」

着信音がなり、確認するとそれは翔子の母親からだった。

「おばさん?どうした?」

『淳君!?翔子が!!』

「ちょっ…おばさん!?翔子がどうしたの?」

おばさんの慌てぶりからすると、翔子に何かあったのは確かだ。

でも、おばさんは『翔子が!』と言うばかりで肝心な事を言わない。

「おばさん、落ち着いて」

『淳君かい?』

「…おじさん?」

この時間、いつもならおじさんは仕事のはず。

そのおじさんまでもが一緒にいる…。

「…翔子に何があったんですか」

自分でも驚くほど落ち着いた声。

『病院にいる。淳君もすぐにきてほしい。場所は…』

おじさんの言葉を手の甲にメモ書きし、タクシーを捕まえると俺は言われた病院へと急いだ。
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