1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「来い!!」

「っ!?」

 手を掴んだのは乱入してきた少年だ。その顔を見て、思わず息を飲んだ。


 どうして、こんなところにいるの…?


 そんな私の疑問を無視して、少年は走る。足がもつれそうになったけど、後を必死に追いかける。

 後ろで男たちの怒鳴り声が聞こえたけど、一切振り向かない。
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