1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 すっかり暗くなった道を歩いて帰ります。
 蹴られた場所が痛くて、何回も立ち止まって休憩しました。


 それにしても、すごいボロボロです…。
 明日学校行けますかね…。


 何とか家にたどり着くと、リビングの方から2人の足音が…。

 あぁ、こんな姿見たらびっくりしちゃいます。

 案の定、リビングから飛び出して来た智希と望亜は、私を見た途端顔色を変えて、その場に固まってしまいました。

「…ただいま。ともくん、みあちゃん」

「あ…パパ!ママ!!ねーね、けがしてる!!!」

「ふぇぇえええん」

 智希は我に返ると、リビングに逆走して行って、望亜はその場で大泣きしてしまいました。
 2人が寝静まった頃に帰ってきた方がよかったかな…。

 靴を脱いでなんとか家に上がると、望亜が泣きながら抱きついてきました。
 望亜、汚れちゃいますよ…。

 望亜をなだめていると、お父さんとお母さんがリビングから飛び出してきました。
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