1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「清牙はよものことを大事にしているんだよ。だから、本当は情報屋なんてやって欲しくないはずだ」

「…分かっています」

「それでも、よもが情報屋をやるというなら、今回みたいなことは絶対に起こってはいけない。よも自信を守るためにも、清牙や桃、智希くんや望亜ちゃんのためにもね」

「はい…」

「…お説教はここまで。寝るまでここにいるから、ゆっくり休んで。明日は退院できるから」

 剣人さんは微笑んで、ぽんぽんと頭を撫でてくれます。

 お父さんたちだけじゃない。
 私を大切に思ってくれているのは、剣人さんたちも同じだ。

 早く元気にならなきゃ、智希と望亜にも安心させてあげなきゃです。
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