1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
安心
それから、次の日には宣言通り退院できたものの、安静を約束されました。
それから数日寝て過ごして、体の方の傷が痛まなくなったのは1週間後。
頬の傷は痛みますが、これが治るのが待っていたらいつまでも学校に行けません。
それに、来週からもうテストです。
そんなわけで、あの日から1週間経ってからようやく学校に復帰します。
お父さんとお母さんには大反対を食らいましたが、テストが心配なのです。
「よも、絶対に無茶しないですぐ帰って来るのよ」
「わかってる。いってきます」
「いってらっしゃい…」
お母さんは最後まで渋っていましたが、学校へ出発です。
頬には湿布を貼っていて、ぎょっとした顔で見られるかと思いきや、長い前髪のおかげで通行人の方々の視線はそれほど気になりませんでした。
でも、問題は学校に着いてからですね。
絶対に気づく方がいます。
その人たちにどう言い訳するか…。