1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
注目
神野くんに手を引いてもらって学校をでる。
…と、そんな簡単に出られたら本当にどんなによかったか。
学校の校門付近には、たくさんの女子生徒と数人の男子生徒がいて、道を塞いでいた。
思わず舌打ちする神野くん。
どうしたらいいのか分からなかったので、とりあえず大人しくしていましょう。
と、神野くんが突破口を見つめている間に、背後からバイクの音が聞こえ、思わず硬直する。
まずい、嵐鬼と出くわしてしまいます!?
「神野くん、裏門から帰りませんか」
「え?」
「嵐鬼に会いたくないんです」
「あ、あぁ、大宮が嵐鬼の幹部だっけ」
もちろんその理由もありますが、他にもあるんですよ~。
とにかく会いたくない一心で神野くんに言うと、あっさり納得してくれて来た道を戻ります。
ふぅ、これで1件落着…。