1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

注目


 神野くんに手を引いてもらって学校をでる。

 …と、そんな簡単に出られたら本当にどんなによかったか。

 学校の校門付近には、たくさんの女子生徒と数人の男子生徒がいて、道を塞いでいた。

 思わず舌打ちする神野くん。
 どうしたらいいのか分からなかったので、とりあえず大人しくしていましょう。

 と、神野くんが突破口を見つめている間に、背後からバイクの音が聞こえ、思わず硬直する。

 まずい、嵐鬼と出くわしてしまいます!?

「神野くん、裏門から帰りませんか」

「え?」

「嵐鬼に会いたくないんです」

「あ、あぁ、大宮が嵐鬼の幹部だっけ」

 もちろんその理由もありますが、他にもあるんですよ~。

 とにかく会いたくない一心で神野くんに言うと、あっさり納得してくれて来た道を戻ります。

 ふぅ、これで1件落着…。
< 129 / 313 >

この作品をシェア

pagetop